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    離婚

    相手(夫・妻)の弁護士から通知(電話や手紙など)が来たときに見るべき3つのこと

    相手が弁護士を立ててきたのなら、こちらも弁護士を立てたほうが良い理由

     

    離婚について夫婦で話し合おうとしていたところ、突然、相手の代理人となったという弁護士から電話や手紙をもらうと驚いてしまいます。

    多くの人にとっては、弁護士から通知を受け取ることは初めてで、どのように対応したらよいか戸惑ってしまいます。

     

     

    そんな場合に心に留めておくべき3つのポイントをご紹介します。

     

     

    よくある質問~もう相手(夫・妻)とは直接話せないの?

    相手方の弁護士からは、今後、離婚問題については弁護士が応対するので、相手方とは直接に話をしないようにと言われることが通常です。

     

    しかし、相手方が弁護士を立てたからといって、あなたに相手方代理人と交渉する義務が生じるわけではありません。

     

     

     

    ただし、相手方が弁護士を立てたのは何故なのか、その理由もよく考えてください。

     

    それは、相手方が、離婚問題について直接にあなたと話をするよりも、弁護士を通じた方が冷静に話をすることが可能となり、二人の問題を整理しながら話し合いができると考えたからではないでしょうか。

     

    そうであれば、あなたが相手方と直接に話をすることにこだわり、相手方の弁護士を頭から拒否するのは考えものです。

     

     まずは相手方の弁護士の話を聞いて、相手方が何をこちらに伝えたいのかよく理解することです。 

     

    他方で、夫婦の間には、子どもの教育や税金の支払いなど家庭生活上の連絡事項で、弁護士を通じてのやり取りよりも、直接に会話をするべきことがたくさんあり、その一切を停止することは現実的ではありません。ですので、必要に応じて、直接のやりとりができることもあります。

     

     

    弁護士を立てるメリットとデメリット

     

    離婚問題で相手が弁護士を立てたときに、あなたも弁護士を依頼した方が良いことは言うまでもありません。

     

    弁護士を立てるメリットその1

     

    離婚に関する法的知識のないまま、法律の専門家である相手方弁護士と交渉することは、あなたにとって不利となる危険があります。

     

    弁護士は依頼者の利益を守ることが職務です。

    例えば、離婚の条件について、あなたと相手方との間に争いがある場合、相手方代理人は相手方の意向をあなたに受け入れさせるために、法律などを駆使して主張をしてきます。

     

     

    法律的知識のないあなたは、法律に書いてあるからなどと言われると、反論できなくなってしまうかもしれません。しかし、法律には様々な解釈が成り立ちますので、すぐに諦める必要はありません。

     

    どのような反論をすればいいか、法律的に構成すればどのような主張が出来るのかを、あなた自身も弁護士に相談をすることが出来ます。

     

    このように法律的な問題について、あなた自身の利益を守るために、法律の専門家である弁護士を立てるメリットがあります。

     

     

     

    弁護士を立てるメリットその2

     

    相手方の弁護士とあなたが依頼した弁護士が、お互い専門家同士としてやり取りをすることによって冷静な交渉が可となります。

     

    当事者同士の交渉ではどうしても感情が先にたち、話が進まず、より問題がこじれてしまう危険性があります。

     

    しかし、法律のプロ同士の交渉であれば、法律的に可能な主張と無理な主張を理解しているので、問題点を整理したうえで、妥当な結論に落ち着きやすくなるのです。

     

     

     

    弁護士を立てるデメリット

     

    弁護士を立てるデメリットは弁護士費用がかかってしまうという点です。

     

    しかし、弁護士費用は分割払いの相談に応じてくれる法律事務所も増えていますし、法テラスを利用して援助を受けることもできます。

     

     

     

    不利にならないために気を付けるべきこと

     

    離婚問題で相手方が弁護士を立てたときに、あなたが不利にならないように気をつけるべきことがあります。

     

    弁護士は法律のプロですので、あなたと会話をしている最中も、話し合いが最終的にまとまらず、離婚調停や離婚訴訟となった場合のことを常に念頭においています。

     

    例えば、あなたが相手方の弁護士との話し合いで、とても感情的になって暴言をはいてしまったり、相手方を罵倒するような表現の手紙を弁護士に送ってしまったりしたとしましょう。

     

    相手方の弁護士は、のちに裁判所の調停や訴訟で親権や慰謝料が争いになったときに、それらの事実をあなたにとって不利な証拠として利用するかもしれません。

     

    また相手方の弁護士は、家庭裁判所の調停委員のように中立的な立場ではありません。あくまでも相手方の立場に立って弁護活動を行います。

     

    したがって相手方の弁護士と話をするときに、なんでも打ち明ければ良いわけではありません。

     

    相手方の弁護士は、あなたの法律相談や人生相談に応じてくれているのではなく、あなたの悩みを聞いてくれているわけでもないのです。

     

    相手方の弁護士があなたと会話をするのは、相手方の利益を守るためなのです。相手方の弁護士に何を話し、何を話すべきでないのかを、慎重に考えなければなりません。

     

     相手方の弁護士が信頼できそうな人だからといって、「実は自分は浮気をしていた」とか「相手の知らない銀行口座がある」などと不用意に話してしまってはいけないのです。 

     

     

     

    まとめ

     

    相手方の弁護士にどのように対応するべきかについては注意が必要です。

    あなたも、ご自分の利益を守ってくれる弁護士を探すことを検討してみてください。

    何かお悩み事がございましたら、お気軽にご相談ください。

     

    東京大学法学部司法学科卒業。最高裁判所司法研修所修了後、裁判官に任官し、横浜地方裁判所、名古屋地方裁判所家庭裁判所豊橋支部、横浜地方裁判所家庭裁判所川崎支部判事補、東京地方裁判所家庭裁判所八王子支部、浦和家庭裁判所、水戸地方裁判所家庭裁判所土浦支部、静岡地方裁判所浜松支部判事。退官後、弁護士法人はるか栃木支部栃木宇都宮法律事務所勤務。

    裁判官時代は、主に家事事件(離婚・財産分与・親権・面会交流・遺産分割・遺言)等を担当した。 専門書の執筆も多く、 古典・小説を愛し、知識も豊富である。 短歌も詠み歌歴30年という趣味も持つ。栃木県弁護士会では総務委員会に加入している。