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    過払い金返還請求にかかる弁護士費用について知っておくべき3つのこと

    過払い金返還請求を依頼する前に無料の弁護士相談を利用する

     

    過払い金返還請求をするにはどれくらい費用がかかるのか、弁護士に頼むと高いんじゃないか、と迷われている方も多いかと思います。

     

    本記事では過払い金返還請求にかかる弁護士費用の相場についてご説明いたします。

     

     

    過払い金返還請求の弁護士費用の相場は?

     

    (1)弁護士費用は原則として弁護士が自由に設定できる

     

    かつては弁護士費用の料金は、各弁護士会が報酬規程を定めていました。現在は廃止され、弁護士が原則として自由に弁護士費用を設定することが出来ます。ただし、各事務所に弁護士費用の算定方法を説明する書面を備え置くことが要求されます。

     

     

    (2)過払い金返還請求の弁護士費用の内訳

     

    ①着手金

    着手金とは、弁護士が事件処理を始める時点で受け取る費用です。結果の如何に関わらず返金はされません。

     

    ②報酬金

    報酬金は、事件処理の結果が生じた時点で、その内容(依頼者の利益)に応じて受け取る費用です。何らの結果も生まなかったとき報酬金は不要です。

     

     

    過払い金返還請求の弁護士報酬には上限規定がある

     

    (1)日弁連「債務整理事件処理の規律を定める規程」

     

    過払い金返還請求事件を含む債務整理事件の弁護士費用に関しては、日本弁護士連合会による「債務整理事件処理の規律を定める規程」と「同規程施行規則」によって、上限の金額が定められています。

     

     

    (2)日弁連の定める弁護士費用の上限

     

    「債務整理事件処理の規律を定める規程」は、過払い金返還請求事件の着手金については特に定めておりませんので、各弁護士が自由に設定することができます。

     

     

    他方、報酬金については、次のとおりの上限が設けられています(同規程12条3項)。

    ・解決報酬金…債権者一人当たり2万円(13条、債務整理事件処理の規律を定める規程施行規則2条)

    ・減額報酬金…減額した額又は免れた債務額の10%(14条)

    ・過払い金報酬金…裁判上で回収した金額の25%、裁判外で回収した金額の20%(15条、規則4条)

     

     

    ただし、これは通常の定型的な債務整理事件である「非事業者等任意整理事件」にのみ適用される上限であり、すべての事件に適用されるわけではありません。また商工ローンの場合は、解決報酬金の上限は1社あたり5万円です。

     

     

    少しでも弁護士費用を抑えたい方へ

     

    (1)相談料、着手金無料の法律事務所を利用する

     

    法律相談は、通常、初回30分5000円(税抜)が相場ですが、法律事務所によっては、これを無料としております。まず、このような無料相談を設けている法律事務所を利用し、過払い金返還請求の相談をすることが費用の節約になります。

     

    さらに、債務を全額返済し終えている場合などの過払い金返還請求権の発生が見込まれるような案件では、着手金を無料とする法律事務所もあります。

     

     

    (2) 費用の節約のためという理由のみで、自分で行うことはお勧めしません 

     

    過払い金返還請求を考えている方の中には弁護士費用を節約するために、ご自分ができる範囲のことは自分でしようと考えておられる方がいます。

     

    貸金業者に対する取引履歴の開示請求や開示された履歴に基づいての引き直し計算を自分の手で行い、貸金業者との交渉や訴訟だけを弁護士に依頼しようと考えているのです。

     

    過払い金返還請求権の有無とその金額について調査、計算する作業まで終わっているので、その分、弁護士費用を減額してほしいと要望されるケースがあります。

     

    しかし、この方法はお勧めできません。ほとんどの弁護士は、このような依頼に対し、弁護士費用を減額しないでしょう。

     

    なぜなら、弁護士が受任した後に、全ての取引履歴が正しく開示されているか、そして正しく引き直し計算が行われているかについて、全て最初から検証し直さなければならないからです。

     

    弁護士である以上、いくらの過払い金がありましたという依頼者の報告を鵜呑みにして貸金業者と交渉を行ったり訴訟を提起したりすることは絶対にできません。

    したがって、弁護士の立場からすると、最初から受任した場合と変わらないので、弁護士費用を減額するわけにはいかないのです。

     

    まとめ

    以上、弁護士費用について説明しました。一人で悩んでいても、解決はしません。私たちにお力になれることがあるはずです。お気軽にご相談ください。

     

     

    東京大学法学部司法学科卒業。最高裁判所司法研修所修了後、裁判官に任官し、横浜地方裁判所、名古屋地方裁判所家庭裁判所豊橋支部、横浜地方裁判所家庭裁判所川崎支部判事補、東京地方裁判所家庭裁判所八王子支部、浦和家庭裁判所、水戸地方裁判所家庭裁判所土浦支部、静岡地方裁判所浜松支部判事。退官後、弁護士法人はるか栃木支部栃木宇都宮法律事務所勤務。

    裁判官時代は、主に家事事件(離婚・財産分与・親権・面会交流・遺産分割・遺言)等を担当した。 専門書の執筆も多く、 古典・小説を愛し、知識も豊富である。 短歌も詠み歌歴30年という趣味も持つ。栃木県弁護士会では総務委員会に加入している。