労働問題
働き方改革の実現!労働問題について必ず知っておきたい4つのこと
目次
労働問題の解決に必要な手続きは弁護士に代行してもらう
平成30年7月6日に「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律」が公布され、働き方改革が本格的にスタートしました。
厚生労働省によると、働き方改革では働く方の置かれた個々の事情に応じ、多様な働き方を選択できる社会を実現し、一人ひとりがより良い将来の展望を持てることを目指している、とのことですが、働き方というのは、「労働」の仕方であり、方法です。どのように労働を行い、労働の結果どんな問題が生じるのか、生じたらどうしたらいいのか、この理解を避けて働き方ばかりを叫んではいられません。
本記事では、みなさんが日々働く上で問題が生じたときに弁護士に依頼したほうがいいのか、という点について主に記載しています。
働き方改革とは
例えば、長時間労働の是正を行うため、時間外労働の上限について月45時間、年360時間を原則とし、臨時的な特別な事情がある場合でも年720時間等を限度に設定しています。また、雇用形態にかかわらない公正な待遇を確保するために、正規雇用労働者と非正規雇用労働者と間にある不合理な差の解消を目指しています。
このように、国は働き方改革によって一億総活躍社会を目指し、労働環境を改善する取り組みを行っています。
さて、そもそも労働問題とはなんでしょうか。
労働問題とは
労働問題とは、使用者と労働者の間に起こる全ての紛争をいいます。、労働基準法、労働契約法、労働組合法等の労働法令に関する問題で、解雇、退職、過労死、採用、賃金、セクハラ・パワハラ、懲戒処分や労働条件に関する問題などがあたります。
労働問題に遭ったら一人で悩まずに弁護士に相談する
(1)労働問題解決方法
労働問題を解決するためには①会社と任意の交渉を行う、②労働審判の申立を行う、③民事訴訟を提起するという3つの方法があります。
会社との交渉は、例えば、パワハラの被害を受けた場合に、人事部や社外相談窓口に相談し、本人や加害者にヒアリングを行うなどして解決の道を探るというものです(詳しいフォローチャートについては厚生労働省のホームページに記載されています。
厚生労働省パワーハラスメント対策導入マニュアルhttps://no-pawahara.mhlw.go.jp/pdf/pwhr2014_manual.pdf)
労働審判の申立ては、和解が成立しなかった場合に行われる迅速かつ柔軟な解決を目指す制度です。労働審判官、労働審判員からなる労働審判委員会で、原則3回以内の期日で審理が行われます。
最後に民事訴訟の提起は、会社に対してその損害についての賠償責請求を行うというものです。
(2)労働問題解決にかかる費用
例えば、個人で労働審判の申立てをする場合は収入印紙代や切手代などの費用を負担する必要があります。労働審判の申立てに必要な書類としては、労働審判手続申立書や、証拠書類、証拠説明書、資格証明書などがあります。そして、申立書には、申立ての理由や予想される争点及び争点に関連する重要な事実、申立てに至る経緯の概要、証拠について記載しなければなりません。
個人で申立てをする場合には弁護士費用を抑えることができますが、上記のような資料を自らが作成しなければならず多大な時間や労力がかかります。他方で、法律の専門家である弁護士に依頼し、手続を代行してもらえば、書類の作成等に対して労力を使わずに済むでしょう。そのため、多少の費用がかかったとしても弁護士に依頼するメリットは大きいと思います。
弁護士に依頼した場合にかかる費用の相場は、例えば、未払い賃金の支払請求について弁護士に依頼した場合、着手金(20万円から40万円前後)、成功報酬(得た経済的利益の約15%から20%前後)、 実費(切手代、交通費、コピー代等)などになります。
(3)弁護士を選ぶ基準
労働問題が発生したため弁護士に依頼する場合、どのような基準で選べばよいのでしょうか。
労働問題では労働基準法や労働契約法、労働組合法等の労働法令などの専門性が高い法令の解釈が必要となる場面が多々あります。そのため、労働問題が生じた場合にはこのような労働関係法令に詳しい弁護士を選ぶ必要があります。
労働問題に強い弁護士を探すためには、労働問題を専門的に扱っているかどうか、労働問題を請け負った経験や実績などを掲載しているかどうかなどに着目して、各法律事務所のホームページなどをご確認することをお勧めします。
弁護士だからできる労働問題の解決方法
(1)労働問題を弁護士に依頼した場合のデメリット
労働問題を弁護士に依頼した場合のデメリットとしては、個人で手続を行うときと比べて費用がかかるという点にあります。しかし、弁護士は法律の専門家ですので法的な観点から交渉や裁判を行うことができ紛争をより適切な結論へと導くことが出来る可能性があります。そのため、弁護士に依頼した方が最終的には利益となる場合も十分に考えられます。
(2)労働問題を弁護士に依頼した場合のメリット
①弁護士が手続を代行してくれる
弁護士に依頼すると、弁護士が手続や交渉を代理します。例えば、会社との任意の交渉を弁護士が代理をすれば、労働者が直接会社関係者と会うことなく交渉を進めることができます。また、労働審判や民事訴訟などの手続について代理を依頼すれば、書面の作成、期日への出頭など弁護士が代理人として行いますので、書面の作成、証拠の選別、期日における対応等について、本人は専門家である弁護士に任せることで大幅な労力を省くことが出来ます。
このように、弁護士に依頼すると時間的、精神的な負担を軽減することができます。また、労働問題において弁護士が入ることで会社としては真摯な対応を取らざるを得ず、労働審判や民事訴訟を有利に進めることができるため紛争が解決する可能性が高くなります。
②紛争を早期に解決することができる
労働問題を弁護士に依頼する場合は労働問題についての経験や実績がある弁護士に依頼することをお勧めしましたが、そのような弁護士であれば労働問題を解決するための実務的なテクニックや法的に必要な手続、交渉の仕方に精通しているため、早期に労働問題を解決することができます。
まとめ
働き方を変えるには、自分自身を変えるのはもちろん、同じ職場で働く人らの理解が欠かせません。ただ変わる、変えるというのは本当に大変です。おひとりで悩む時間も多くなります。弁護士はプロです。ご自身でどうしようもない状況下になったときに、私たちが一助になれるかと存じます。最近では、初回の法律相談を無料で行っている法律事務所もあります。何かお悩み事がございましたら、お気軽にご相談ください。
東京大学法学部司法学科卒業。最高裁判所司法研修所修了後、裁判官に任官し、横浜地方裁判所、名古屋地方裁判所家庭裁判所豊橋支部、横浜地方裁判所家庭裁判所川崎支部判事補、東京地方裁判所家庭裁判所八王子支部、浦和家庭裁判所、水戸地方裁判所家庭裁判所土浦支部、静岡地方裁判所浜松支部判事。退官後、弁護士法人はるか栃木支部栃木宇都宮法律事務所勤務。
裁判官時代は、主に家事事件(離婚・財産分与・親権・面会交流・遺産分割・遺言)等を担当した。 専門書の執筆も多く、 古典・小説を愛し、知識も豊富である。 短歌も詠み歌歴30年という趣味も持つ。栃木県弁護士会では総務委員会に加入している。
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